イカキョウにあこがれて、ロンダリングのススメ

先日、京都にいって考えたことを記しておきます。

前にも書きましたが、先週末は研究室時代のボスの退官イベントにいっておりました。

久しぶりに、先輩や同級生、後輩と会い話し、色々と思うところがありました。

もともと私は地方大学の出身ですが、大学院だけは京都大学にいきました。

いわゆるロンダリングというやつです。

実際に入学するまではそんな言葉があることすら知らなかった。

ただ、現役の高校生時代にあこがれていたあの大学に大学院だけでも行くチャンスがあるのならば行ってみようかなぁ。

4年も同じ大学仲間といるのは少し飽きてしまったなぁ。

COE(Center Of Excellence:国が魅力ある研究をしている学部研究科に資金を重点的に充てる政策) に選ばれてるし、何かよさそうやなぁ。

まぁ、とにかく深くは考えずでの選択でした。

実際に、日本の最高学府の1つである環境に、2年だけとはいえ籍を置いていたのですが、今考えればとてもとても良い経験でした。

なにがすばらしかったのか、教育水準?研究資金・設備?研究レベル?

そのどれよりも上に私は、人との出会いをあげたいと思います。

地方大学時代にも素晴らしい仲間にたくさん出会いましたが、京都大学で出会った方達は、それとはまた違った魅力をまとった方々でした。

なんといいますか、もちろんクレバーという面では京大なのですからすごいんです。

でも、それだけとちゃう魅力を感じる人が多かった。

それは、皆ぷんぷんとにおう個性(色)を持っていたからなのだな。と今は思います。

いかにも京大生らしい人に向けた言葉として「イカキョウ」というのがあるそうです。

本来はいかにも根暗がりべんのオタク気質の人物をさす言葉だそうですが、知人は皆ある意味で「イカキョウ」だったのだと思います。

見た雰囲気は根暗オタクの人物は一人もいませんでした。むしろおしゃれな人はとっても垢抜けたものでした。

では何をもって「イカキョウ」なのか。

それは、私はある対象に対してとことん探求するさま。という私は定義します。

大学院の研究室にいたわけですから、研究(私はライフサイエンス系)に対してのこだわり情熱をもった人は多かった。

この点、私のかつていた地方大なんていうのはけんきゅうごっこのおあそびです。

しかし研究のみにとどまらず、皆、それ以外に興味を持った対象を持ってそれに対する知識もすごかった。

この「知に対する貪欲さ」こそが最高学府の学徒の印なのです。

そういう意味では趣味や拘りをもっていなかった(今もないのは悩み)私には、そんな個性派達に囲まれた生活は新鮮で、彼らは皆憧れの存在でした。

その点では頻繁に劣等感を覚えました。

しかし、その中にいると自分も頑張ろうという気になり、「能力でかなわないならば、努力だけは負けないようにしよう」と頑張っていたものです。

今思えばその頃の「努力」=「研究室滞在時間」とかなりの勘違いだったわけですが。。。

いまいち就職活動がうまくいかなかった私は、今は地方の企業に勤めるサラリーマンで、周りには学生時代にふれた「イカキョウ」的素質の人がいない環境で、なんだか腑抜けた気持ちで毎日だらだらと過ごしています。

3年もたって、完全にそういった環境にも慣れつつあります。

そんな折、久しぶりに京都で、「イカキョウ」達の集いに行き、またあのころの気持ちを思い出した気がしました。

なんだかんだ、皆は昔の通りに格好良く、その場にいると心地がよい。

そして、「なんで俺なんかがここにおんねやろう?」という感覚も久しぶりでした。

最近のもやもやと過ごしていた時期に、こうした感情を再度味わう機会得たのは、何か良いタイミングだったに違いありません。

話が脱線しました。

研究に魅力を感じている理系の大学3年生の諸君、僕は学歴ロンダリングという選択肢を薦める。

得られるのは学歴だけでない。

そこに学ぶ仲間達から向上心を学び、先達からは歴史・伝統の教えを請うことができる。それは即ち君に未知の世界観を与えてくれるのだ。

大学院の試験のパスは大変簡単ですから、機会は望むものすべてに与えられると思います。

ただし、ぶらっくな研究室もイッパイあるから、事前に在籍する学生とお話しすることをお忘れなく。

とにかく、とっても良い週末だったんだよ、先週は。

おわり