SPENT FULL TIME AT KANAZAWA

記録として残すために書き直します。

週末で金沢に行ってきました。
昨年同様に観光と人に会うのが目的でした。
観光といっても前回、市内のめぼすいスポットはほぼまわってしまいましたので、今回は少ない箇所をじっくりとみて巡る感じとなりました。

●8番らーめん
前回に引き続き夜に金沢に着き夕飯は片町で食べました。
地元の人達には大人気らしいですが、やっぱりいまいちでした。
まぁ、このあたりでしか食べられないプレミア感が楽しめればよいのです私は。
この近辺金沢の歓楽街で、こぎたない格好でうろつくのは心苦しかったのでさっさと宿へ行き就寝。

犀川、新堅町商店街
6時には起床し、散歩がてら川沿いの景色を楽しみました。
こんな時間に出会うのは仕事終りのホストやキャバ嬢、おじいさんおばあさんばかりです。
その後、骨董品屋が並ぶという商店街を歩いてみましたが、さすがにこの時間ではあいている店もなく、ただ通りをうろうろとするだけとなりました。
クラシックな雰囲気が好きな人が、店が開いている時間に行けば楽しめるのかもしれません。

兼六園
長町、香林坊のあたりをぶらぶらした後、近代文学館、県庁、市役所を横目に兼六園へ向かいました。
到着したのが、朝の7時半頃でしたから、雑踏もなく落ち着いた景色を楽しむことができました。
これだけ美しいものに囲まれるのも稀ですので、2時間もあっという間でした。
私、基本的には壮大な大自然とかいうものよりも、造形的な美しさに魅了されるタイプですので、こういった手入れのされたお庭を大変好みます。
癒されたとかいうチープな表現しか出てこないのが心苦しい。

金沢21世紀美術館
前回は中まで見る時間がありませんでしたので、今回は建物のなかも見てまわりました。
後の計画もありましたので、9時から見れる無料スペースだけと思いましたが面白そうな展示がありましたので、予定を変更しました。
周りにも、おしゃれな装いをした方々がチケットを手に開演時間を待っておりました。
こういったところに来る方は服装など、やはりセンスの良い方が多い。
そういった雰囲気に私はとても憧れている面があります。
特に一眼レフのカメラを首にかけた女性が格好良くてうらやましい気持ちになりました。
たぶん私がそんな恰好をしたら、アイドルを追いかけるカメラ小僧以外の何物にも見えないことでしょう(苦笑)
見たのは『RON MUECK展』。
日本初個展だそうです。
超リアリズムとでも言うのでしょうか。
実に精巧なSculptureをつくるアーティストです。
私は芸術とかそういったものに疎いので、知りませんでしたが実にすばらしかったです。
一本一本の毛髪や髭、肌の赤らみ、皮膚を透きとおる血管まで、全てが人の持つそれそのものに見えるのです。
ただ違うのは、作品の大きさが本物とは異なるという点。
精工に作られているからこそ、生まれてくるその大きさへの違和感。
そして、それこそが作者が込めた『生』というメッセージなのでしょう。
うまく表現できませんが、確かに潜在的な感覚の部分に訴えてくるような感覚でした。
実に奥深い作品でした。
展示されていたのは10にも満たない数でしたが1つ1つのQualityが高い分、下手な絵画の羅列よりもリターンは相当に大きかったと思います。
割と美術館などではじっくり見るのが好きですので、この数点を見るのに1時間ほどかかりました。
勢いでパンフレットも購入してしまいました。
まぁ、悪い買い物ではなかったでしょう。
ところで、中国人の方が多くいたのには驚きでした。
ヨーロッパの多く美術館は、観光名所として認識されていますので、これはこの美術館の存在感を記した証という事なのでしょうか。
それとよりも中国人の国際化という面にスポットするのが自然な考えなのでしょうかね。
最近はどの観光地へいっても中国籍の方が多い。
おそらく高度成長期の日本人と同じ段階をへているのかと思いました。

尾山神社
待ち合わせ場所の近江市場に向かう途中でのより道でした。
なかなか変わった神社でしたが、素敵なところでした。
これを目的に金沢を訪れるといったほどではないと感じましたが、時間があれば立ち寄っても損はないのでしょう。
ひっそりとしているのがまたよかったです。

●近江町市場
京大時代の先輩W氏とはここで待ち合わせました。
早く着きましたので、ぶらぶらと歩いていたら、おばちゃんにつかまりまして、海老と蟹を購入する事になってしまいました。
押しに弱いの点は昔からのものです。
実家に送りましたので、たまの親孝行ということで良しとしましょう。
W氏と合流後は、私の強い希望で山さん寿司本店で海鮮丼を食べました。
一杯二六二五円。
見るも鮮やかな海の幸が器から今にもこぼれんとする姿は感動に値しました。
それだけにこの時ばかりは、どんな美味しいものでも「旨い」とだけしか知覚できない私の安い舌を恨めしく思いました。
いやいや素晴らしいものをごちそうさまでした。

その後はW氏の車でドライブがてら東茶屋街に寄ったりしながら、大学の研究所へ向かいました。
途中、ぶうぶう言いながらも付き合っていただけることになったT氏を拾いながら。
研究所では、これまた久しぶりのK氏にもお会いできました。
たしか一年ぶりのはずです。
W氏、K氏、T氏は皆、大学時代の先輩ですが本当に人間のできた立派な方々で、私が心から尊敬する方々なのです。
この後、彼らと夕食を食べに行き、スーパー銭湯で汗を流しと、ともに時間を過ごしましたが、そうやって他愛のない話をしている時間がこの旅一番の有意義な場だったったと思います。
皆さんご存じの通り、私はねじれ曲がった卑しい性格をしておりますので、少しずつでも彼らのように人にやさしい人間になっていけたらいいなとも思いました。
くだらない会話が大半でしたので、何を語ったかは覚えておりませんがとても楽しいひと時でした。
そして今年もW氏の家に宿泊。

●滝の見える秘湯
この日はW氏K氏と温泉に行きました。
はじめ温泉と聞いてあの有名な加賀ですか!?と期待しましたが、そうではありませんでした。
しかし、この先でも行く機会はつくれそうな加賀よりも良いところへ連れて行っていただけました。
土地勘がなくよくわからないのですが、金沢から南方に向かっていったところでした。
途中、一里野音楽祭の会場をよこめにいんぐいと進み、スーパー林道なる道に入りました。
もうこの道の景色が素晴らしくよかったです。
先ほどは造形美が好きだと言いましたが、この自然は造形的な美しさを凌駕する景色でした。
平静な二人をよそに、一人「すごいっすねー」を連呼しておりました。
道の途中で温泉につながる小道の入口に到着。
秘湯と聞いていたで、野を分けて…みたいなシーンを想像していましたが、思いの他ちゃんとした道のある場所でした。
しかし温泉に到達するまでに階段を上り下りし、川沿いを歩いたりと15分ほどの距離でした。
けっこう人もおりましたし、割と有名な温泉のようです。
いつかの湯原温泉が思い出されます。
あぶがぶんぶんしておりましたが、温度加減もちょうど良くなかなかの良いお湯でした。
目の前には滝も流れており、大自然の中で入る風呂がここまですがすがしいとは驚きもひとしおでした。

最後は帰路に就く電車の待ち時間で、金沢駅フォーラスをぶらぶら。
北陸最前線だけあって、お洒落さんがもりもりでした。
北陸は色白美人さんが多いですねとの感想を漏らし、後ろ髪ひかれる思いで金沢を後にしました。

一人で旅する時間も、知人とすごす時間もあり充実した旅でした。
お付き合いいただいた先輩方には大いに感謝です。
また、違う季節に訪れたいなと思います。


気がつけばやはり長文になっている我が日記。
油を売っていないで、がっつり遊んだ分の巻き返しに取りかからねば。