concerning about politics, happy life of the poverty, think it n

●魔王(伊坂幸太郎

文庫、やっと読み終えました。
政治的と言いますか、思想的と言いますか、そんな内容でした。
作品中で多用される「ファシズム」という言葉、我々の生活には無用と思っておりましたが…。
国民から絶大な支持を受ける首相というものは、本作に出てくる犬養のような人物なのかもしれません。
つい先日引退を表明した元総理大臣の人気ぶりを思い返すと、日本人の国民性においてファシズム政権は実現しうるのではという気分にさえなります。
とにかく、最近、年齢がそれなりになってきたからか、はたまたマスコミが面白おかしくニュースで国民を煽っているからか分かりませんが、政治に対する関心のようなものは出てきました。
しかしながら、相変わらず政府に対して期待感は持てませんね。
外交問題や、年金問題、景気どうこうもありますが、『日本』という国の良さみたいなものを創造するというか守るというか、そういう事項を私個人としては期待しているのですが。
ある方が仰っていたように、現首相の方のあのマッチョなしゃべり方を聞いていると、なぜだか気分が萎えてくるようです。
どういう形でこの国をポジティヴな方向へ導いてくれるのでしょうか。
話が変わりますが、シューベルトの魔王を思い浮かべながら読むと一層雰囲気がよくありました。
こんなところで音楽の授業が効果を発揮するとは。
伊坂作品結構読みましたが、私はやはり「オーデュポン〜」や「陽気な〜」のような理解に易く、勧善的な作品が好きなようです。
しかしながら、魔王もこのご時世だからこそ読む価値のあるものと思います。

満足度:★★★☆☆


久しぶりにDVD鑑賞を

自虐の詩

一時TVでコマーシャルをよく見ましたので、期待していましたが…。
個人的にはいまいちに感じました。
どんな思いを訴えた作品なのかよくわかりません。
「貧くても幸せになれる」とかいういかにもベタなものなのでしょうか。
世間の評価は高い作品ですが、とにかく私の好みではなかった。
映画っておよそ2時間の中に、すべてを詰め込むものですから、その中に「あれ?」と感じる箇所が数個でもあるとだめなんだなと思います。
それなりに感動的な場面もあり、特に最悪という感想でもないですが、期待値が高かっただけに満足できるものではありませんでした。

満足度:★★☆☆☆

クワイエットルームにようこそ

精神病患者の閉鎖病棟での話。
何となく「妻夫木のでる映画に外れなし」という持論を指針にチョイスしました。
ジャケット見てコメディと思って借りたのですが、なかなかシリアスな内容でした。
しかし、こちらはかなり楽しんでみることができました。
ストーリーというかメッセージが一本しっかりずしりとしている作品のほうが私は好きなのです。単純な脳みそですからね。
チョイ役で下が、妻夫木聡がいい味出してましたし、内田有紀の演技久々でしたがかなり思い切りがあってよかったです。
人は誰でも何かしらの精神的な課題を抱えていると思いますから、おおくの人がかんじるものがある作品な気がします。
作中、蒼井優が、“自分が一食たべるという事はどこかで一食たべられへん価値ある人がいるということ”みたいな事をさらっと言っておりましたが、これも多くの人が一度は考えた事のあることではないだろうかと思います。
発言者蒼井優のかわいさをを差し引いても、記憶に残るメッセージです。
まぁ、私の場合こういった事を考えて飯食われへんとかいうようなセンシティヴな心は持ち合わせておりませんのですが。
俳優陣も結構豪華で個人的な好みにあう作品でした。
ただし、やはりクドカンは演技より脚本で楽しみたいなと感じました。

満足度:★★★★☆