日本人は考えない葦である

●「知の衰退」からいかに脱出するか?(大前研一

久々にメッセージ性の強い本に出会いました。
内容が濃く、整理ができてないですが、以下、出来の悪い人間目線での感想を書きます。
賢い方には参考にならないかもなぁ。


人間は考える葦である。
フランスの思想家パスカルの言葉、有名すぎますね。
人間は自然の中においてはまるで葦の様に弱い存在だか、思考する事が出来る生き物なんだ。みたいな意味でしょうか。


さて、私英語やらなんやら、ちらほらとメルマガを購読しておりますが、大前研一さんのメルマガも読んでたりします。
そういう事もあって、この人は格好えぇわぁ〜なんて以前から思ってましてね。
そういう所からの意識と、本書のサブタイトルの「ユニークな生き方」というのに興味を持ったのとで、読みました。


どんな本かと言いますと、ざっくり言うと“考えなくなった日本人への警鐘”とでもいいますか。
色々と例えを出して、「ほら、最近の日本人ってこんなにも考えないで生きてるんだよ?このままだと本当に日本はやばいよ?」という感じ。


私自身、氏が例示した「考えない日本人」のあらゆる行動パターンそのもの(いやそれ以下かも)でしたので、ショックを受けたというよりはむしろ大いに納得させられました。
まぁ、何とはなしに自分でもぼんやりとは考えないで生活してる実感みたいな気配は感じていましたが。


いくつか例を書くと、何かがはやればすぐに飛びつく、簡単で分かりやすくすぐ使えそうな本ばかりを買う、マスコミの流す情報は鵜呑みにする、などなど。
「楽しかったらいいじゃな〜い」主義なんかは、冷静に考えると判断という最低限の思考すらを隠滅する魔法であったとも受け取れます。


さらに、そういった考えない現象が、自分にとっては“考える人”“賢い人”の代表イメージであった多くの政治家や経営層にも当てはまるというのですから、それはもう衝撃的でした。
実際、どこまでの人に当てはまるかは、私判断できる頭がないですが、それでも知らなすぎる事が確実にマイナスであると感じました。
冷静に分析されると、我が国の政治は実にひどい有様です。
まぁ、選挙に全くの無関心の私が、政治家批判はできませんがね。
とにかく、政治興味なしなんてのは今日からやめよう。

大マスコミとか政治家とか、このあたりの質の低下に関しては最近私が愛読している柳田充弘さんのBlog(http://mitsuhiro.exblog.jp/)にも同じような事が書いてありまして、やっぱりそうかと感じました。
何か、大前さんと柳田さんには同じ匂いが感じられます。
私、基本的に偉そうな人物というのは嫌悪する人ですが、彼らに関しては説得力があり、格好良いという尊敬の念さえ抱いております。
きっと、権威的なものに対しても自分の意思を曲げずに批判できるというところが確固だからでしょう。


さて、氏はこのグローバリゼーションの時代において、考えることができないというのは致命的で、あらゆる国から搾取される立場になり衰退の一途をたどる可能性が大きいと述べて、現行の日本の状況を憂いています。
読んでるとね、本当に日本ってこのままだとだめだって思いますよ。

教育に関しての提言もありましたが、OX式とはまさしくその通りだと思いまして、「ゆとり」がどうこうとか言うんじゃなくて、まさに軸事態がズレている。
これも、教育指針を決める層のIQが足りないからという事で、これはもう一大事だぞと。
だって、考えない日本人を製造するシステムなんだから。
こうなってくると、何大だからどうこうとかいうのはもはや問題でないわけです。
だって、それは詰め込み暗記式OXクイズができるできないという違いを表しているだけでしかないのだから。


では、これからの時代に必要な能力とは何か。
それは「英語」「IT」「金融」のリテラシー
これは、いろんなほんで言われている事ですし、実際私も過去に勝間本でこういった内容は目にしましたが、そんなに危機感はもたなかった。
勉強は大事やけど、これって違う世界の人の話で、R&Dのおれには関係あらへんわってね。
でも大前さんの本では、具体的に世界的な動向とともにその重要性が説かれていたので説得力がちゃうなと感じました。
英語は訓練期間が長い割に使える人間はほとんどいないし、金融も多くの人間は社会人になってからも学ぶ機会がない、ITに関しても実用レベルかと問われればどうだか。
これらが全てできるという人は本当に少ないでしょうし、その重要性にすら気が付いていない人も多いのが現状でしょう。


情報がものをいう社会で英語ができなきゃ、日本のフィルター越しにしか世界も日本も見れないのですよ。
英語はもはや武器じゃない。ただのツールなんだ。
最近、海外のニュースを見るようになって感じることです。
金融知識にしたってね、私個人としては「金を働かせて〜」とかいう考えにはまだ抵抗あるんですが、でも知識がないだけで知識あるものから搾取されるのはごめんだ。位には思うんですよ。
ITにしたって、googleなどがうまく使えるかどうかだけで、だいぶ手にできる情報とその速度が変わってきますから最低限は大事ですね。


最近、私はちょこちょこ本を読むようになりましたが、社会であってもこういう人ってホントに少ないですからね。
電車で、一生懸命マンガ読んだりゲームやったりしてるサラリーマン見ると、私ですらおいおいっておもいますもん。
下手なゲームより、ためになる本一冊の方が随分とおもしろいと思うのですがね。
とにかく、どんどん堕落の方向にシフトしていっている気がします。
快楽を求めるだけ、苦痛から逃げるだけになっているのではないか。
恐らくこんな話をしても、周囲でおおそうかと同調してくれる人物はいないのだろうな。
まぁ、大前さんが言って響かないのに、持たざる私の言でどうこうなる事もないでしょうが。


でキモなんですが、大前さんは上記三つの能力に加え、『考える』ちからが必要だと。
では考えるとはどういうことか。
個人的な解釈ですが、食事のイメージに近いなと思うのです。
この情報溢れる社会で、何か魅力的な果実を食べても、それを消化して吸収できなかったら栄養にならんです。


今は、少し慣れればWebでいろんな有益な情報が手に入ります。
そんな中でね、もはや旧型(日本型)詰め込み教育なんて重要でないんです。
大事なのはそういった情報を咀嚼してそれが何を意味しているのかを考え、そうして理解した情報で新しいコンセプトを作っていくこと。


こういった力を有している人(リーダー資質の人物)は米国にはたくさんいるし、最近では近隣のアジア諸国にも出てきている。
この事実をしれば、日本が今どんな状況かが分かるし、のほほんとしてはいられないって思うんですね。
私もそういう気があるんですが、日本人って過去の遺産からの経済大国意識が染みついてるから、自分たちの状況をまだまだ楽観視しているところが、あると思うんですがどうでしょうか。
実際は、インドや中国よりかは上だし、韓国、台湾なんかまだまだっていう風でないか。もちろん、CとIはピンキリで単純比較は案にですがね。
今年に旅行で、韓国か台湾に行く予定なので、その発展の雰囲気を感じてきたいと思います。


何か、上手いことまとまらんな〜。


まぁ、ここで感じた危機意識といのがどこまでキープでき、また行動にうつせるのか。
結局は低IQに甘んじるのではという不安もあるのです。
実際に、今までいろいろな本を読んでやらなと思っても、それが生活を劇的に変えた事はない。
とりあえず、英語は実用に耐えうるレベルまで磨こうではないか。
(とりあえず来月のTOEICを勢いで申し込みました。)
2年でできたわずかな遊び金で資産運用も始めたい。関連の未読本を読んだら口座開設しよう。
後は、ぼちぼちマーケティングの方向からロジックベースの思考のフレームワークを学びたいです。


そういえば、週刊ダイヤモンドをよんでたらソーシャルビジネスの特集で原丈人さんの記事が。
米国型金融資本主義を批判し、ステークホルダー全体のベネフィットを考える公益資本主義というのを唱え実践している方です。
ちょうど、今ほぼ日のサイト(http://www.1101.com/hara/fourth/2009-04-20.html)でも特集組まれているんですが、どちらかというアメリカナイズされた大前さんの理論と比較してみると何か面白いなという印象でした。
どっちが正解かっていうのは一概には言えないんですが、もっと色々と学んでみると違った視点からの考えを知れて、そこから自分にとっての最適な思想を展開するという、まさに「考える」人に一歩前進かと思いました。


あぁ、もうこんな時間だ!
久しぶりに頑張って書いたけど空回りやな!
明日も仕事やしもう寝ないと。