ええやん関西

阪急電車有川浩

購入後半年ほど放置してあったのですが、ダ・ヴィンチで「有川浩徹底特集」を読んだ勢いで手に取りました。

いくつかある阪急電車の線の中でも、マイナー?な今津線が舞台の平凡だけどどこにでも転がっていそうなお話。

実際に乗った事がないのでいまいち具体的いめーじでないのは残念でしたが、さらっと読めて、でも読み終わった頃にちょっと安らかな幸せな心になっている事に気がつく、そんなお話です。

電車の駅と駅の区画ごとでそれぞれの登場人物にちょっとしたエピソードがあり、そのそれぞれがちょっとずつ交錯しているのが単純に新鮮で面白かった。

しかも往復ってのがまたよいのよね。

私はあまり本を読まないから知らないだけかもしれないけれど、こういう発想って本当にうまいなと。

だって、電車ってごくありふれた世界じゃない。(まぁ、関西特有の雰囲気ならではの部分もあるのでしょうが。)

そこから紡ぎだされる小さな小さな、でもとっても暖かいエピソードを読んで、電車に乗っているすべての人にそれぞれの人生があるという、極々当たり前の事実に気がつかされたんだ。

個人的には悦子のエピソードにホロッときました。(往路も復路も)

本当は圭一の話はキュンとなりましたが、そんなお前はキモいという評価を受けそうなので大々的ないはいわないでおこう。

毎日けだるい電車通勤・通学をしているという方々、これを読んだら、その日からから少し電車の中の時間が楽しみになるかもしれません。

意外とドラマなんてのはそこらへんにゴロゴロとしているのでしょうか。

人の数だけドラマがある。考えてみれば当り前か。

私はさっそく明日から電車の乗客を眺めてにやにやと妄想を膨らませてみたいと思います。犯罪にならない程度に(苦笑)