Theory of The Japanized Capitalism.
●新しい資本主義(原丈人)
興味が湧いた時に手を出しなさい。そうでなければ後悔するよ。(by myself)
という訳で、先日ほぼ日で知った原さんの本を読みました。
ついこの間「日本はダメだ」って本を読んで、今度は「日本はすごいんだ」っていう本。
何だか思考が混乱しますね。
大前さんがU.S. Capitalizm とすれば、原さんのはJapanized Capitalizm といった感じでしょうか。
大まかに整理すると「金融資本主義の罪悪」「新市場創造と日本」「幸福論的キャピタリズム」という内容です。
何度も書きますが、この間読んだ本とは正反対な思想を展開する内容でした。
私個人としては、株主本位の情勢に対する批判は、メーカーに勤める者として大いに納得するものでした。
いい技術を創るのってそれなりに時間がかかるという考えですから、短絡的な戦略はやっぱり受け入れずらいのです。
日本人としては、原さんの主張する公益資本主義(会社の意義はステークホルダーへの貢献)がイニシアチヴをとれたら、もっともしっくりくる気がしますし、それこそ人類にとって有益と思います。
でも実際は難しいのではと感じます。人間ってIdealな精神とSelfishな部分が共存してますからね。
金に目がくらんだハゲタカ達の駆逐ができねば、状況は好転しないと思うのです。
そういう意味では、この昨今の金融資本主義への警鐘という内容に、基本的には賛同なのですが、全体的に主張に説得力が足りない印象を受けました。
また、ITに次ぐポストコンピュータ市場を形成するためにコアの技術の創生が必要だ。これを実現できるのが日本なんだ。
みたいな内容の記載があったと思いますが、その根拠はどこに?
プラットホームになりうるポイントをもう少し具体的なロジックで説明がほしかったです。
CUPとか、この分野にめっぽう弱い私は半分も理解できなかったですが、このへんが分かると「イケる」空気を感じられたのでしょうか。
epock-makingとなりうるか。この辺に関しては、今後の動向を見守るしかないようです。
さて、批判的な視点でちょこっと書きましたが、私個人としては一番、後発発展途上国LDCk関連の話が興味深かったです。
実際にここに興味を持って原さんの本を読んだ部分が大きかったんだっけねぇ。
こういう理想主義みたいなのが結構好きなんです。
グラミン銀行なんかの話はマザーハウスの山口さんの存在をつうじて知りましたが、ほんとに面白いビジネスモデルと思います。(きっと山口さんも原さんと交遊があるのでしょう。)
特にこういった分野でのビジネスが成功をおさめるのであれば、昨今日本で鬱屈とした日々を過ごす若者にとって大変魅力的なものになりうる思います。
インターンやボランティアからの展開のストーリーも面白いなぁ。
根本的には「人の役に立つ人間でありたい」という善良なる欲求に対して美徳を感じる我が国で、それこそカネよりも大事なそれを手に入れることができるのであれば、やり方次第で広がりを見せるかもなぁ。
たらたら書きましたが、まぁこんな感想です。
個人的には、断然「ほぼ日」での糸井さんとの対談をおすすめします。